トンガの高校生に日本語を教える伊藤理香さん(右)=トンガ・ヴァヴァウ諸島(伊藤さん提供)
トンガの高校生に日本語を教える伊藤理香さん(右)=トンガ・ヴァヴァウ諸島(伊藤さん提供)

 南太平洋のトンガ沖で発生した海底火山噴火で、トンガ国内の被害全容は明らかになっていない。2008年に同国へ派遣された元青年海外協力隊の伊藤理香さん(46)=出雲市今市町=は当時を思い「どうか無事であってほしい」と現地住民の安否を気遣う。(原暁)

 伊藤さんはトンガのヴァヴァウ諸島で公立高校の日本語教師として約2年間滞在した。帰国後も会員制交流サイト(SNS)を通じて同僚や教え子とやりとりを続け、新型コロナウイルス禍になる前の19年までに日本での交流を4度重ねている。

 噴火が起きた15日は家族から知らせを聞き、すぐにネットで被害の状況を確認した。噴火場所が滞在地域から約250キロ離れていることもあり、最初は「大丈夫だろう」と思った。

 しかし、SNSで約60人の現地住民とつながっているのに、全く投稿がないことが気に掛かった。特に親しかった4、5人に「心配しているので、状況を教えてください」とメッセージを送ったが、18日夕方まで返信はない。

 国外にいるトンガ人の知り合いと共に情報を集めているが、確かな情報を得られず不安が募る。

 たとえ無事だったとしても火山灰の影響で主食のタロイモなどの作物被害や、生活用水として使う雨水が汚染されるなどの懸念は尽きない。

 ただ、今は「無事」の連絡を待つしかない。伊藤さんは、自らの海外赴任を支えてくれたトンガの人は心持ちも大きく、寛容な人が多かったといい「きっとたくましくいてくれているはずだ」と信じる。