タンパク質の粉末を水や牛乳に混ぜて飲む健康食品プロテイン。以前はアスリートや本格的にスポーツをしている人が使うことが多かったが、最近は美容や健康、ダイエットなどの目的で摂取する人が増えている。味や成分を工夫し、飲みやすいさまざまな商品が登場。市場が拡大している。
▼さっぱりと
東京都内の会社経営、安東夏子さん(42)は最近、朝食時にグリーンアップル味のプロテインを飲むのが日課だ。仕事の準備に追われ、朝食で十分な栄養を取れないことが多く、健康のために始めた。
「年齢を重ねるにつれ栄養に気を付けるようになりました。今まで飲んだプロテインは味が口に合わず続かなかったけれど、これはさっぱりしたフルーツ風味で気に入っています」と話す。
▼腸内環境も
安東さんが飲んでいるのは、ベンチャーのAuB(東京)が今年初めに発売した「AuB MAKE(オーブメイク)」だ。タンパク質以外に腸内環境を整える多くの菌や、菌の餌になる食物繊維などを配合しているのが売りだ。
AuBの鈴木啓太社長は元サッカー日本代表で、自身の選手時代の経験から腸内環境に着目。マウスを使った研究でも、腸内環境を整えることで効率的に筋肉が付くことを確認したという。「筋肉量が増えると基礎代謝が上がり、ダイエットにプラス。美肌にも役立ちます」と広報担当者は話す。会社員など幅広い年代の男女に売れている。同社ECサイトで販売。単品で購入の場合、800グラム入りが希望小売価格8629円。
▼なじみの味
森永製菓は昨年12月、プロテインパウダー「マッスルフィット森永ミルクキャラメル味」を発売。プロテインに興味があるが、味に抵抗感があるという人向けに開発したという。「20~40代の男性中心に、長年なじみのあるキャラメル味が好評です」と担当者。900グラム入りが5184円。
マツモトキヨシホールディングスは昨年11月、プライベートブランド「matsukiyo LAB」の「プロテインスムージー」を全国のグループ店舗で発売。体格指数(BMI)が高めの人の体脂肪を減らす機能が報告された成分を配合している。広報担当者は「在宅時間の増加で食生活の乱れが気になる人にお薦め。40~50代の女性に人気です」と話している。