【琴浦】無病息災や家内安全を祈願する破魔弓神事が11日、鳥取県琴浦町箆津(のつ)の伯耆稲荷神社であった。参拝客や地域住民ら約30人が見守る中、神職が邪気を払うとされる矢を、東西南北と中天に向かって放った。
河合鎮徳(やすのり)宮司(69)が拝殿で祝詞を奏上後、本殿横の弓場に移り、「ヤーッ」という掛け声とともに5本の破魔矢を次々と放った。矢を拾うと御利益があるとされ、見守った参拝客が近くに落ちた矢に駆け寄り、縁起物として持ち帰った。
矢を手にした倉吉市伊木の福井茂樹さん(72)は「1年間、家の神棚に飾る。何より新型コロナの退散と、平穏な生活に戻ることを願っている」と話した。
神事は、本社の伏見稲荷大社(京都市)に稲荷大神が鎮座した日を祝う初午(はつうま)大祭に合わせて毎年、開かれている。 (藤井満弘)