冬の季語の一つにユーミンがある。確かに『恋人がサンタクロース』『BLIZZARD』など松任谷由実さんには冬の名曲が多い。個人的に推したいのは『ノーサイド』。<彼は目を閉じて枯れた芝生の匂い深く吸った>の名フレーズを感情を抑えながら語りかける。まさにユーミンの真骨頂だろう。
歌のモデルとなった試合は天理(奈良)と大分舞鶴が対戦した1984年の全国高校ラグビー大会決勝とされる。大分舞鶴が終了間際にトライを挙げ、ゴールが決まれば同点優勝の場面。だが、キッカーが足を滑らせて外し、試合終了となった。ラグビー史に残る名勝負である。
あさって開幕する今大会は別の意味で歴史に残りそうだ。島根大会出場は石見智翠館1校にとどまり、予選なしで花園が決まった。20年前に全国で3万人いた高校の部員は1万7千人と4割以上も減っている。
競技人気は日本代表の強さに比例するとされるが、現代表は歴代最強クラスと言っていい。各国の超一流が集うリーグワンも発足し、露出も多い。見る機会は格段に増えているのに、競技人口が右肩下がりなのは少子化や受け皿不足だけで片付けられない構造的問題がある。
ところでラグビーは冬の季語でもある。とりわけ山口誓子は好んで詠んだ。<ラグビーのジャケツちぎれて闘へる>。花園に挑む選手諸君、ノーサイドまで存分に駆け回りつまらぬ喧騒(けんそう)を吹き飛ばせ。(玉)













