20日に適用期限を迎える新型コロナウイルスの「まん延防止等重点措置」について島根県の丸山達也知事は17日、政府に解除を要請したと発表した。対象は全市町村で、飲食店への営業時間短縮要請は20日までで終了する。1月下旬にピークだった感染拡大がひとまず落ち着き、医療や保健所の逼迫(ひっぱく)が避けられているとの認識で、感染拡大防止と経済回復との両立を図る必要があると判断した。ただ、感染が下がりきっておらず、措置終了後も、都道府県をまたぐ不要不急の移動の自粛などを県民に求める考えを示した。
要請を受け岸田文雄首相は島根を含む5県は、期限をもって解除すると表明した。18日に正式決定する。
島根県への重点措置は1月27日に適用開始。1日当たりの感染者数は、21日発表分で過去最多の190人となった後は減少傾向で、2月17日は66人だった。
丸山知事は会見で「感染急拡大が再発する恐れが、ほぼなくなったと評価していい水準まで下がった。保健所の迅速な調査、検査が滞りなくでき、医療も逼迫していない」と判断理由を述べた。
ただ、直近1週間の人口10万人当たりの新規感染者数は77・1人(17日)で、国の新型コロナ感染症対策分科会の分類でレベル2(警戒を強化すべきレベル)の目安となる15人を上回っており「安心してさまざまな活動をしてもらう状況にはなく、現状を踏まえた感染防止策を継続する必要がある」と呼び掛けた。
21日以降の飲食店利用は「4人以下、合計2時間を限度」とし、都道府県をまたぐ不要不急の移動自粛も継続して求める。水族館アクアス(浜田市、江津市)など県立集客施設の休館は20日で終え、県民が県内の旅館などに宿泊する際の割引キャンペーンは21日に再開する。
20日に期限を迎える21道府県のうち、解除されるのは島根、山形、山口、大分、沖縄の5県で、広島など16道府県と27日が期限の和歌山県は3月6日まで延長する。18日の正式決定後、島根県は対策本部会議を開いて県民への要請内容を決める。
(曽田元気)