2021年の大みそか夕方、東京・池袋の公園。高層のホテルやオフィスビルの明かりの下、300人近い人々が弁当やカップ麺の無料配布を待っていた。手元の温度計は3度を示すが、吹き付ける風のせいで体感温度はずっと寒く感じる。配布は午後6時から始まるが、列の先頭にいた初老の男性は「2時か3時ごろから待っている」と言葉少なに話した。
▼若年化する困窮者
この公園で炊き出しや食料配布を行ってきたNPO法人「TENOHASI」事務局長の清野賢司は近年、訪れる生活困窮者の若年化が進んでいると指摘する。「昔は50歳でも...