江の川流域で獲れたイノシシ肉を活用した新商品
江の川流域で獲れたイノシシ肉を活用した新商品

 江の川流域のイノシシ肉「江の川shishi(シシ)」を使った食品製造を手掛ける浅利観光(江津市浅利町)が、東京都内のイタリアンレストランなどの協力で新商品を開発した。地域資源の有効活用と獣害対策を目指す試みで、3月中旬から直営レストランで販売する。

 古代ローマの調味料だった魚醤(ぎょしょう)と蜂蜜、ワインビネガーに漬けた肉(税別600円)をはじめ、香味野菜と赤ワインで肉の味を強く出したミートソース(同800円)、ジャガイモとベシャメルソースを混ぜた生地に肉を混ぜたコロッケ(同80円)など6種類。ドライブイン「神楽の里・舞乃市」(江津市後地町)のレストランや売店で12日から扱う。

 江津市役所で9日に試食会があり、商品を考案したザ・モメンタム・バイ・ポルシェ(東京都港区)の林祐司総料理長が市幹部らに調理法などを解説した。試食した山下修市長は「イノシシのイメージを変えるような料理に仕上がっている」と感嘆した。

 浅利観光は2021年4月、江津市桜江町内にあった食肉加工施設を承継し、解体処理から加工品開発の態勢を整えた。植田智之常務は「イノシシ肉の魅力を広め、日常的に食べてもらいたい」と話した。販路を拡大しながら、22年度は年間約150頭分の肉を商品化したい考えだ。

 (福新大雄)