山陰中央新報社の年間を通じた報道を第三者が検証する2021年度の「報道と読者」委員会が10日、松江市殿町の本社であり、原発報道、本紙とデジタルサービス「Sデジ」を組み合わせた重層的な報道の在り方の二つのテーマについて社外有識者3人が、編集・編成両局の担当者と意見を交えた。
委員は島根大法文学部教授の毎熊浩一氏、鳥取県経済同友会代表幹事の松村順史氏、むすびや主宰の渡部裕子氏。本社は、小田川真一常務取締役編集局長、伊藤英治編成局長らが出席した。
中国電力島根原発2号機の再稼働議論を巡る記事について、渡部氏は「不安などの感情を言葉にすると強い印象になる。住民が判断する材料をフラットな視点でしっかり出してほしい」と注文。松村氏は「日本のエネルギー政策がどうあるべきかがないと(再稼働問題を)理解しにくい」と指摘した。
また、毎熊氏は再稼働に関して、合意形成までの過程が大切だと強調し「手続きについて、もう少し時間をかけて皆で考えられるよう早期に特集を組んでもらえると良かった」とした。
Sデジの在り方については、山陰の出来事を効率よく検索できる機能、新聞を購読している親から子どもへと有用性を伝えるツールとして期待する声があった。
委員会の詳報は28日の本紙で紹介する。(佐貫公哉)