島根県と大田市は12日、大田市職員1人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。市消防本部と大田消防署が入る庁舎(大田市大田町)に勤務しているが、不特定多数と接する仕事ではない。接触者は特定できており、消防・救急業務に支障はないとしている。県内4人目の変異株だった。

 同市在住で、年齢、性別は非公表。10日に38度台の発熱があり、11日に医療機関を受診し、抗原検査で陽性が判明した。発症の2週間前以降に、私用で感染拡大地域へ滞在しており、県はそこで感染した可能性が高いとみている。

 庁舎に勤務する全ての職員にPCR検査を実施し、53人全員が陰性だった。庁舎の消毒も実施した。

 松江市殿町の県庁で会見した大田市の楫野弘和市長は、消防・救急業務は通常通り対応できると強調。市民に不安があることを理解した上で「人命に関わる事態への対応の遅れにつながりかねないので、消防や119番への問い合わせは控えてほしい」と述べた。

 市は休日も含め相談窓口を設けている。開設時間は午前8時半~午後5時15分、問い合わせは電話0854(83)8184。

 県内の累計感染者数は292人となった。(曽田元気)