出雲空港から飛行機が離陸して間もなく、窓の外をのぞくと、大きく蛇行して流れる斐伊川とキラキラ輝く宍道湖が現れる。そして、一面に広がる水田と、少しずつ離れて建つ農家がはっきりと見えてくる。この簸川(ひかわ)(出雲)平野一帯に農家が点在する様子を「散居(さんきょ)集落」という。

 散居と言えば、富山県砺波(となみ)平野や岩手県胆(い)沢(さわ)平野と並んで簸川平野は日本三大散居集落として有名である。...