新商品開発に向けて意気込む奥村隼也さん(前列中央)ら関係者
新商品開発に向けて意気込む奥村隼也さん(前列中央)ら関係者

 食と農を生かしたまちづくり「A級グルメ構想」を掲げる邑南町で食品加工業者やレストラン、農産物生産者ら10者が共同で新商品開発に乗り出す。「おおなん塾」と銘打ち、生産者らが「塾生」として参加しながら、食材をどう組み合わせるかを話し合って取り組み、年内の完成を目指す。

 商品開発は、吉本興業グループが地元企業と協力した地域活性化プロジェクトの一環で、昨年は垣崎醤油(しょうゆ)店(邑南町中野)と共同で醤油の新商品「おおなんの宝」を開発。今年はさらに拡大した取り組みとして複数の事業者の共同開発事業として行う。

 島根県住みます芸人の奥村隼也さん(36)がレシピ考案兼ディレクターを担う。垣崎醤油店のほか、石見ポークなど食肉製造のディブロ(同町矢上)、乳製品加工販売のシックス・プロデュース(同)、町内の菊芋生産者やマスカット生産者、レストラン香夢里(同)、人材育成拠点「食の学校」(同町日和)、矢上高校、石見養護学校が参加する。

 商品開発のほか企業同士のマッチングにつなげる。高校生らの参加によって地元企業を知ってもらい就職に役立てる狙いもある。

 12日に食の学校で開校式があり、出席した事業者らが現在の取り組みや町への思いなどを話し合った。吉本興業ホールディングスの泉正隆取締役副社長は「町の魅力を作り出す取り組みとして全国に発信していきたい」と述べ、奥村さんは「皆さんのアイデアをとりまとめながら、全国にない商品を邑南町から出したい」と意気込んだ。

 今後は月1~2回食の学校で集まって勉強会に取り組みながら、9月から新商品開発を開始する。(糸賀淳也)