稽古に熱が入る出演者たち=雲南市木次町里方、チェリヴァホール
稽古に熱が入る出演者たち=雲南市木次町里方、チェリヴァホール

 雲南市創作市民演劇「永井隆物語」が24、25の両日、雲南市木次町里方のチェリヴァホールで上演される。同市三刀屋町で幼少期を過ごした永井隆博士(1908~51年)の生涯を描く作品。20日には、ゆかりの品などを展示する記念館のリニューアルオープンが予定され、注目が高まっている。公演を前に出演者たちの稽古に熱が入る。 (狩野樹理)

 市民有志による「雲南市演劇によるまちづくりプロジェクト実行委員会」(吾郷康子委員長)が主催。2010年の初上演以降、出雲神話をテーマにした「異伝ヤマタノオロチ」など多彩な作品を披露してきた。

 「永井隆物語」には、山陰両県から29人が参加。長崎の原爆で被爆しながら負傷者の救護に尽くした永井博士を、放射線を研究する科学者、医師、父、カトリック信者と、多面的に表現しながら、ユニークな人柄にも触れる。

 このほど同ホールであった稽古では、各場面を演じながら照明や音響、出演者の立ち位置を確認。脚本、演出を手掛ける三刀屋高校掛合分校教諭の亀尾佳宏さん(47)は「遠い偉人の話ではなく、身近な人物として伝えたい」と話す。

 永井博士を演じる会社員、深野敦史さん(27)は、全著作を読み込み、役作りした。「永井博士が発していたメッセージを、自分が永井博士として伝えられたらいい」と汗を拭った。

 全席指定で一般2500円(前売り2千円)など。24日午後6時半、25日午後2時開演。問い合わせはチェリヴァホール、電話0854(42)1155。5月20日から30日までインターネットでの有料配信を予定している。