新型コロナウイルスの影響で売り上げが落ち込んだ島根県内の飲食店や宿泊施設を支援するため、県が2020年度に発行したプレミアム付き飲食券・宿泊券の経済効果は、24億2800万円以上だった。券の利用だけでなく、上乗せした支払い分や、交通費などがあるため、波及効果はさらに膨らむとみられる。

 飲食券は6千円分を4千円で購入でき、28万9千組(千円6枚つづり)を販売。出雲部の利用が全体の77%を占め、石見部が21%、隠岐が2%で、地元の飲食店で多く使われた。

 宿泊券は5千円分を3千円で購入でき、14万2600枚を販売。延べ5万3300人が券を使って宿泊した。出雲部の利用が70%、石見部が26%、隠岐4%だった。

 換金額は飲食券17億2500万円、宿泊券7億300万円の計24億2800万円で、消費喚起のため国の交付金を使って県が負担したプレミアム分は8億5千万円。県民消費分は15億7800万円で、両券ともにおつりが出ないため、利用時に上乗せして支払った分があるとみられる。

 県の観光動態調査では、観光客が県内施設に泊まる場合の観光消費額は1人当たり1万8800円で、宿泊費はこのうち1万400円。残りの8400円は土産代や交通、飲食費、周辺施設利用に使われるため、単純計算すると、宿泊券利用以外でさらに約4億4800万円が消費されたことになる。

 県しまねブランド推進課の畑山経弘課長は、インターネットや電話、はがきで申し込みできるようにしたことが購入増につながったとし「希望する県民に行き渡り、消費喚起の効果はあった」と話した。

 15日の県議会農林水産商工委員会で公表した。利用期間は飲食券が20年7月~同11月末、宿泊券は同7月~21年2月末だった。(曽田元気)