自慢のチューリップを紹介する島田一嗣さん=安来市荒島町
自慢のチューリップを紹介する島田一嗣さん=安来市荒島町
島田さんが整備した花木園。園児や女性グループ、島田さんの憩いの場となっている=安来市荒島町、14日午後
島田さんが整備した花木園。園児や女性グループ、島田さんの憩いの場となっている=安来市荒島町、14日午後
島田さんが毎年制作、記録している評価表。満足いく開花ではなかった場合、容赦なくバツが付く=安来市荒島町
島田さんが毎年制作、記録している評価表。満足いく開花ではなかった場合、容赦なくバツが付く=安来市荒島町
自慢のチューリップを紹介する島田一嗣さん=安来市荒島町
島田さんが整備した花木園。園児や女性グループ、島田さんの憩いの場となっている=安来市荒島町、14日午後
島田さんが毎年制作、記録している評価表。満足いく開花ではなかった場合、容赦なくバツが付く=安来市荒島町

 JR荒島駅(安来市荒島町)の沿線を松江方面に200mほど行った先にある花木園。70平方メートルの園に色鮮やかなチューリップやハナミズキなど50品種2千株が並ぶ、地域でも有名な場所だ。配置された花の色合いにもこだわりが見られ、品種も毎年変わるという本格的な園だが、管理しているのは園の前に住む島田一嗣さん(76)、ただ1人。なぜ、ここまでの園を毎年造り続けているのか。島田さん本人に思いの丈を聞いた。(Sデジ編集部・吉野仁士)

 ▼立体感など「こだわり」

 赤、ピンク、紫、黄色ー。園内の至る所にかわいらしい花が咲き誇り、自転車で前を通る生徒や道行く車も思わず速度を緩めるほどの豪華さだ。園内は、温かな色をした瓦チップの地面に椅子やベンチ、ブランコも設置され、好天の時は近くの認定こども園の園児や、女性グループなどがよく集まる。


 鮮やかさを強調するため、花は同じ色が極力隣り合わないように植えているほか、手前に背の低い花、奥に高い花を配置して立体感を演出するなど、こだわり抜かれている。通りがかった人に花を楽しんでもらうため、その年に植えられた花の品種や配置、購入元を記した配置図をA4サイズの紙に手描きして荒島駅と自宅前に置き、来園を呼び掛けている。


 約30年前、空き地だった自身の親の土地を整備して始めた園。毎年、周りからも「いつも楽しみにしてます」「来年もお願いします」との声が相次ぐと言い、島田さんは「なかなか辞められなくなっている。後継者もいないし」と笑う。

 

 ▼造園への目覚め
 元県職員で、現在はしまね海洋館アクアスとしまね農業振興公社の理事長を務める島田さん。幼い頃から植物は好きだったが、本格的に目覚めたのは、島根県内でくにびき国体が開かれた1982年ごろだ。


 県職員だった当時、県内での機運を盛り上げる取り組みの一環として「花いっぱい運動」が推進され、各所にサルビアやマリーゴールドを植えたプランターが並んだ。その結果、国体が終わった後に残ったのは膨大な数のプランター。花を植える人もおらず、当時親しくしていた国体の事務局の人に、余ったプランターをほとんど押しつけられる形で譲り受けた。