山陰を拠点に活動する6代目桂文吾さん(84)=米子市皆生温泉2丁目=が6月25日に、米子市末広町の米子コンベンションセンターで襲名披露公演を開く。「文吾」は約50年間空席だった上方落語の大名跡で、2021年秋に地方在住ながら異例の襲名を果たした。上方落語協会前会長の桂文枝さんも出演し、2大巨頭が円熟した笑いを届ける。
6代目文吾さんは京都市出身。14歳で5代目に弟子入りし、小文吾として活躍したが、27歳の時に芸界を離れた。その後、縁あって米子市の温泉施設に就職し2000年まで勤め上げた後、山陰の噺家(はなしか)として活動を再開。各地のイベントに出演する傍ら、地域の児童文化施設で子どもたちを指導するなど、落語の普及に力を尽くしてきた。
江戸時代後期に始まった文吾の名跡は古典落語「らくだ」を作った4代目が知られる。1時間を超すきっての大ネタで、現在は東西で広く受け継がれている。6代目の襲名披露となる今公演では時間の都合上、らくだは次回に持ち越すが、上方落語界最年長となった老練の高座で魅了する。演目は当日のお楽しみだ。
出演は文枝さん、桂春団治さん、桂小文枝さん、森乃福郎さん、露の新治さんに加え、弟子の吾空さんも花を添える。舞台外では地元有志が4月中旬に実行委員会を立ち上げ、米子での大名跡復活をもり立てる。文吾さんは「長引くコロナ禍で、皆が元気になる笑いを届けたい」と意気込む。
開演は午後2時。チケットは当日3500円(前売り3千円)。米子コンベンションセンターや米子まちなか観光案内所で購入できる。問い合わせは実行委員会事務局のながた茶店、電話0859(22)7602。













