ガチャを回す子ども=松江市殿町、県物産観光館
ガチャを回す子ども=松江市殿町、県物産観光館

 地域の名所などを題材にしたカプセル玩具「ご当地ガチャ」が山陰両県でじわりと広がっている。観光地のキャラクターやおみくじ、農産品の引換券といった各地の多様なカプセルが観光客らの関心を引き、地域の魅力発信の一助になっている。

 「ガチャ…」

 春の大型連休の終盤、旅行で兵庫県から島根県を訪れた女性が、県物産観光館(松江市殿町)にある「出雲鳥居マグネットガチャ」のハンドルをひねった。「狙っていた」というマグネットを一発で引き当て、満足そうに笑った。

 お目当ての品が出れば高揚感があり、そうでなくても新しい出合いや発見があるカプセル玩具。この機能に注目して観光振興に取り入れ、山陰のご当地ガチャの火付け役になったのが、鳥取県琴浦町商工会の青年部だ。

 「地元を面白おかしく宣伝したい」と、前青年部長の光本朋広さん(42)ら有志が昨年9月、道の駅ポート赤碕(鳥取県琴浦町別所)に「琴浦星人ガチャ」を設置した。1回200円のカプセルに、町内の観光地をキャラクター化したシールやバッジ計4点を入れた。これまで650個が売れたという。

 琴浦町の取り組みに、安来市内のイチゴ農家大森雄介さん(46)らが反応。光本さんの協力を受けながら、道の駅あらエッサ(安来市中海町)に今年4月、ガチャを設置。観光地のシールのほかイチゴパックの引換券など「当たり」を盛り込み、観光地だけではなく安来イチゴの知名度アップも狙っている。

 一方、出雲大社前の商業施設・ご縁横丁(出雲市大社町杵築南)などでは「おみくじガチャ」が存在感を示す。カプセルには災いが起きないよう願うメッセージやパワーストーンなどが入り「本気のおみくじは神社の社務所の方でぜひ」とただし書きも。

 このほか、島根県共同募金会がTONOMACHI63(松江市殿町)などに設置した「ガチャガチャ募金」は1回100円の全額が寄付に回り、県の観光キャラクターの缶バッジが特典でついてくる。

 そこでしか利用できない楽しみがあるご当地ガチャ。小さなカプセルには「地域を盛り上げたい」「来訪者の笑顔がみたい」といった作り手の思いが込められている。一度、ハンドルをひねってみては。