第六章 バカンスの夢路(7)

「起きて、野(の)呂(ろ)っち。時間だよ!」

 麻(ま)世(よ)ちゃんの大声が聞こえる。デスクに突っ伏した姿勢で我に返った。

 ひっ。頬骨に冷たい感触...