【出雲】出雲市稗原地区に伝わる方言の継承に取り組む「稗原弁を語る会」(金山富憲代表)が、高齢者向けに大型の方言かるたを制作した。忘れられつつある方言をユニークな絵と楽しい読み札で紹介する。
住民有志8人が2021年1月、会を設立した。会員の花田恵一さん(82)が手作りしていたかるたを基に方言集「おんぼらと稗原弁」を作った。
方言集を市内の全小中学校や稗原地区の高齢者クラブなどへ配布したところ「方言集のかるたを作ってほしい」との声があり、高齢者用のかるたを作ることにした。
お年寄りにも見やすいように絵札と読み札をA5判にした。絵札は花田さんがイラストを描き、読み札は稗原弁の日常での使い方を紹介している。
方言が分からない人にも理解できるように方言と標準語が併記され、「むささびだア おべた拍子にあおんだま」の札には「むささびだア 驚いた拍子にひっくりかえった」と説明している。
花田さんは「方言に触れ懐かしんでもらえたらうれしい」と笑顔で話した。
かるたは非売品で50セットを作り、出雲市内のデイサービスセンターに贈る。会員が施設を訪問し、かるたを読み上げる活動もしていく。問い合わせは、同会の石野真事務局長、電話090(7504)2528。 (佐野翔一)