島根県が取り組む先端金属素材拠点化事業の中核施設「次世代たたら協創センター(NEXTA)」の開所式が21日、島根大(松江市西川津町)の現地であった。関係者が世界最先端の実験機器をそろえた施設の完成を祝い、研究の進展や人材育成に期待を寄せた。
県内特殊鋼関連企業が参画し2018年に始動した拠点化事業で、センターは航空機エンジンやモーター向け新素材開発の研究所となり、学生や企業の人材教育にも活用する。教員・研究員は参画企業の技術者4人を含む31人で、今月から段階的に稼働している。
施設は鉄筋コンクリート3階建て(延べ床面積1800平方メートル)で、総工費は約7億円。国の交付金(2億5千万円)のほか、大学が3億円、県が1億5千万円を負担した。
開所式は丸山達也知事や地元企業の関係者ら約50人が参加。テープカットの後、施設内にある企業専用の研究室のほか、国内唯一となる電気熱機械試験機など、総額約10億円をかけて導入した最先端の研究設備を見て回った。
式典では、センター長を務める英オックスフォード大のロジャー・リード教授が寄せたビデオメッセージも放映された。
(藤本ちあき)