内航船乗り場に掲示された新型コロナウイルスに関する注意書き=島根県知夫村
内航船乗り場に掲示された新型コロナウイルスに関する注意書き=島根県知夫村
内航船乗り場に掲示された新型コロナウイルスに関する注意書き=島根県知夫村

 10日投開票の参院選鳥取・島根合区選挙区で、投票率が前回比6・52ポイント減と島根県内の自治体で最大の下げ幅となった知夫村は、投票日直前に新型コロナウイルスの感染者が相次ぎ、療養者向けの特例郵便投票が機能しなかったのが影響したとみられる。投票日の4日前までの請求が必要で、以降の感染者は投票が困難になるという選挙制度上の課題が浮き彫りになった。 (鎌田剛)

 知夫村の投票率は75・23%。村内では6月30日に初めて2人の感染が確認されて以降、7月10日までに計15人に拡大した。

 特例郵便投票はコロナ感染した場合に利用でき、選挙人名簿に登録された市町村選挙管理委員会に郵送で投票用紙を請求する。その後、届いた投票用紙に記入し、改めて選管に郵送するなど、手続きに時間がかかるため、請求は投票日4日前が必着となる。

 村民福祉課によると、特例郵便投票が間に合わない7~10日に計6人の感染者が確認された。有権者数は541人で、仮に6人が投票できなかった場合、投票率は1・11ポイント下がる。同課と村選挙管理委員会によると、郵便投票の電話での問い合わせが数件あったが、利用した人はいなかった。

 本来は投票できる濃厚接触者や、高齢者が感染を避けるため投票しなかった可能性もある。

 村選管の番谷美穂事務局長は「知夫村は一人が投票する、しないで、影響が大きい。まさかこんな状況になるとは思っていなかった」と話した。