オープン前の内覧会で公開された店内=鳥取県岩美町大谷、港カフェ
オープン前の内覧会で公開された店内=鳥取県岩美町大谷、港カフェ

 鳥取県岩美町の浦富海岸を巡る遊覧船事業の山陰松島遊覧(鳥取県岩美町大谷)が16日、船乗り場付近に県内食材を味わえる「港カフェ」を開店させる。新型コロナウイルス禍や北海道・知床の遊覧船事故による客離れの払拭(ふっしょく)に向け、起爆剤にする考えだ。

 メニューは濃厚なエビの風味が口の中に広がるスープ「えびビスク」、ホタルイカやアジフライ、エビカツの3種のハンバーガーを用意した。コーヒーや梨ジュースといった飲み物もある。今後、カニなど時季に応じた商品を展開する。

 団体客用の食堂(床面積80平方メートル)を改装し、室内30席、屋外100席を設けた。店内には海をイメージさせる集魚灯や浮きなどをあしらった。総事業費は約千万円で、県の補助金500万円を活用した。新たに従業員を3人雇用した。

 同社は新型コロナ禍で乗船客数が例年の半分以下に減少。4月の北海道・知床半島沖の観光船沈没事故直後は、約300件がキャンセルになったという。川口博樹社長は「観光客だけでなく、地元の人が気軽に立ち寄ってゆっくりできる場所にしたい」と話した。

 営業時間は午前10時~午後3時半。遊覧船を運航する3~11月末までは無休で、12~2月の営業は今後検討する。
     (岸本久瑠人)