JR西日本の観光列車「WEST EXPRESS(ウエスト・エクスプレス)銀河」が立ち寄る安来駅(安来市安来町)でのもてなしが好評だ。全国でも名高い民謡・安来節を披露し、清水羊羹(ようかん)など地元銘菓の限定品も販売する。郷土色あふれる歓迎が喜ばれ、関係者は「山陰のファンを増やしたい」と意気込む。
26日午前8時4分、安来駅に停車した下り(出雲市行き)銀河の乗客を出迎えたのは観光関係者の「どじょうすくい出迎え隊」メンバーなど13人。安来節保存会の絃(三味線)の大師範・一宇川耕士さん(41)たち4人が銭太鼓など3演目を披露し、小学6年の松■(崎の大が立の下の横棒なし)光星君(12)のどじょうすくい踊りが目を引いた。22分間の停車の間、包装に列車のマークをあしらった「銀河羊羹」、列車の絵などを描いた「銀河せんべい」も売れた。
出迎え隊は2018年に発足。毎週日曜に安来駅でどじょうすくい踊りを披露し、利用客をもてなしてきた。京都・大阪ー出雲市間を結ぶ銀河が20年秋にデビューしてからは運行のある火曜に出迎えを担い、安来節保存会の協力も得た。JR西日本山陰営業部によると、松江、米子、根雨、生山の各駅でも趣向を凝らしたもてなしがあるが、郷土芸能が毎回見られるのは安来だけだという。
出迎え隊の上田信也隊長(63)=夢ランドしらさぎ総支配人=は「島根の玄関口・安来で島根らしいもてなしができると山陰の旅の思い出が膨らむ。また来たいと思ってもらえるといい」と話した。
今年の銀河の山陰コースは5月6日に運行を始め、9月21日までに31往復62本の運行を計画。銀河羊羹、銀河せんべいは安来駅隣の観光交流プラザでも扱う。
(桝井映志)