JR松江駅前でイベントに向けて打ち合わせする団体メンバー=松江市朝日町
JR松江駅前でイベントに向けて打ち合わせする団体メンバー=松江市朝日町

 松江のストリートから世界的な芸術家を-。松江市を拠点に活動するアーティストと地元の高校の書道部と美術部の部員による芸術イベントが、9月10日に開かれる。地域資源を生かした芸術振興に取り組む市在住、出身のアーティスト団体が企画。JR松江駅前の路上を舞台に、山陰では珍しい壁面アートを仕上げるライブパフォーマンスを予定し、メンバーは「気軽に芸術に親しんでほしい」と準備を進めている。

 団体は、松江の伝統文化や歴史などを、アートを通して親しみやすく発信し、地域と芸術を盛り上げようと、書家、イラストレーターの計5人で昨年6月に立ち上げた「Storyteller in Art(ストーリーテラー・イン・アート)」。イベントは、松江ゆかりの文豪・小泉八雲の怪談や松江開府の祖・堀尾吉晴をテーマにした昨年の二つの企画展に続く、第3弾となる。

 今回は松江の路上から世界に名をはせるアーティストの誕生を夢見て、地元の高校生と共演。松江の玄関口・松江駅前に縦1・8メートル、横90センチの木版を約20枚並べて一連の壁面アートを仕上げる様子を見てもらうほか、駅地下道では大型黒板を設置してチョーク絵を披露し、来場者に自由に描いてもらうようにもする。

 生徒が制作した作品のポストカードや、包装紙にオリジナルイラストを描いた弁当、ラーメンの販売ブースも設置。団体の代表を務める市内在住の路上詩人で書家のこーたさん(38)は「身近で気軽に楽しめるアートのストリート文化をつくっていきたい」と意気込む。

 当日は午前10時~午後4時に開催し、観覧無料。団体メンバーのほか、松江北、皆美が丘女子、立正大淞南、松江商業の4高校の美術部、書道部の部員が参加を予定している。(片山大輔)