【江府】今年いっぱいで解体される鳥取県江府町江尾の旧町役場で、同町在住の画家、志水朝さん(38)の個展が開かれている。町民になじみ深い建物に同町の自然を題材に描かれた油彩、水彩画約50点が並び、来場者が見入っている。入場無料、17日まで。
木造2階建て旧庁舎は老朽化で昨年、役目を終えた。神奈川県からIターンした志水さんは移住相談で通った旧庁舎が取り壊されると知り、個展の開催を発案。心を動かされた江府町の空をモチーフに、竜が舞う姿を鮮やかな色彩で表現した作品などを展示する傍ら、新作を描く。
夫婦で訪れた同町武庫の公務員、平林知紘さん(38)は「旧庁舎で2年間働き、なつかしい思い出でいっぱいだ。作品も空間になじんでおり建物の良さが引き立った」と話した。
個展は地元のNPO法人こうふのたよりが、住民に思い出を振り返ってもらう場をつくろうと企画し、旧庁舎への思いを壁面に書き記してもらうコーナーを設けた。開館時間は午前9時~正午と、午後4時~同6時。(岩垣梨花)