島根県立三瓶自然館サヒメル(大田市三瓶町)で開催中の特別企画展「恐竜の世界へ行ってみた」に、国内で初めて発見された恐竜化石が、復元模型と共に並べられている。山口県下関市で採集された卵の化石で、展示品のうち学術的な価値は随一。巨大な全身骨格標本とともに目を引く。9月25日まで。 (曽田元気)
卵の化石は1965年、下関市の白亜紀前期(約1億2千万~1億年前)の地層から高校生(当時)が採集。50年以上大切に自宅で保管された後、2017年に恐竜の化石と判明した。
現在は同市立考古博物館所蔵。殻の厚さなどから大型草食恐竜の卵の可能性がある。種の基準として一つだけ指定される最も重要な標本「ホロタイプ」になっている。
化石があまり出ていない層で発見されたこと、長年保管されていたことを踏まえ、今井悟研究員(30)は「先入観を持たずに探してみるというメッセージ性があり、記録保存の大切さも分かる」と話した。
特別企画展はサヒメル、しまね自然と環境財団が主催、山陰中央新報社が共催。入館料は大人1200円、小中高生200円。9月の毎週火曜日は休館。