益田市美都町仙道の山中に、四輪バギーの体験施設「TB RESORT(リゾート) MITO」がオープンした。バギーの魅力に取りつかれた地元在住の男性が、野山を疾駆する爽快感を伝えようと脱サラし、自身の持ち山を切り開いて開業した。「山中を走り童心に帰るひとときを楽しんでほしい」と話す。 (中山竜一) 開業したのは近くの草野剛之さん(50)。益田東高校を卒業後、地元のプラスチックフィルム加工製品製造、島根中井工業に入社し、製造畑を振り出しに技術開発や製造品質関連、マーケティングとさまざまな部署を経験し40代で親会社の中井工業(京都)の技術開発部長に起用された。
異例の出世を遂げたものの「3人の子どもが社会人になったら早期退職して好きなことをしたい」と起業を考えていたという。
2年前に市内の友人4人とともに、自身が所有する元桑畑の山林でバギーを走らせ「風を切って走る楽しさを多くの人に紹介したい」と思い立った。4人と山林内の木を切って道を造り、コースを整備し始めた。昨年春に子ども3人は社会人となり、同10月末で早期退職し、本格的に準備を進め、総延長2・3キロのコースが完成した。
10歳から乗れる90ccの2台、12歳から乗れる150ccの3台を含めバギー計6台を体験用に購入。事務所、トイレも整備した。総事業費は約600万円。体験は、けが防止のためヘルメット、ゴーグル、胸パッド、手袋着用で行う。
施設名のTBは英語でおもちゃ箱を意味する「TOYBOX」の略。「大自然というおもちゃ箱の中で楽しいひとときを過ごしてほしい」との願いを込めた。草野さんは「来場者にSNS(会員制交流サイト)で発信してもらい、認知度を高めたい」と話す。
営業時間は4~10月が午前9時~午後6時、11~3月は午前9時~午後5時。不定休。予約制で1人から5人まで受け付け、10月までは1日計5回出発。所要時間は1時間で、各回ともインストラクター2人が指導、同行する。料金は一般5千円、中学生以下4千円。問い合わせは同施設、電話050(3448)4485。