松江藩の鉄師を務めた櫻井家の歴史と文化を紹介する島根県奥出雲町上阿井の可部屋集成館で、春季特別展「鎧(よろい)・兜(かぶと)と刀」が開かれている。櫻井家に伝わる武具や馬具約50点が来場者を魅了している。6月中旬まで。
櫻井家の初代は、戦国時代に勇将として名をはせた塙(ばん)団右衛門。1600年の関ケ原の戦いで、徳川方の加藤嘉明隊の鉄砲大将を務め、その後、大坂夏の陣の前哨戦では豊臣方の先陣として徳川方と激突し、討ち死にした。
展示では、団右衛門の軍配とかぶとのほか、矢筒や編笠、2代直胤(なおたね)の甲冑、「備前長船祐光」の刀など、先祖伝来の武具が目を引く。
また、12代泰吉夫妻が使用した洋風の帽子9個が並び、櫻井家の日々の暮らしを伝えている。(狩野樹理)