麒麟獅子舞のマリオネット上演を続ける福本弘文さん(左)と石田一高さん=鳥取市吉成
麒麟獅子舞のマリオネット上演を続ける福本弘文さん(左)と石田一高さん=鳥取市吉成

 鳥取市内の男性2人組が国重要無形民俗文化財「麒麟(きりん)獅子舞」を糸繰り人形(マリオネット)で演じている。鳥取県東部と兵庫県北部に伝わる伝統芸能を、春と秋の神社の祭りだけでなく年間を通じて楽しんでもらおうと、2020年夏から活動。本物に負けない巧みな動きで魅力を伝えている。

 2人は中学校非常勤講師福本弘文さん(62)=鳥取市吉成=とマリオネット劇団のメンバー石田一高さん(75)=同気高町二本木。

 麒麟獅子舞の後継者不足が課題となる中、中学校で体験授業をしたこともある福本さんが、小型のものなら1人で扱えるマリオネットで、伝統継承のため子どもたちや観光客が見られる機会を増やそうと考え、石田さんに相談。福本さんが麒麟獅子、石田さんがあやし役の猩々(しょうじょう)を受け持ち、県東部を中心に、文化施設、福祉施設、小学校などで70回以上演じてきた。

 人形は資料を基にした自作で、舞は神社の祭りで披露されるものから着想を得た約6分のオリジナル。糸がつながった操作盤を巧みに操り、麒麟獅子の迫力のある頭の動き、赤い棒を振るう猩々の繊細の動きをそれぞれ生きているように表現している。県東部の保存会でつくる「因幡麒麟獅子舞の会」や獅子頭の制作・修理の第一人者だった中山勘治さん(享年98)のお墨付きも得た。

 福本さんは「マリオネットを見て興味を持ち、実際に舞ってみたいという気持ちにつながればうれしい」と願い、石田さんは「動きや仕掛けを進化させ、見る人を楽しませたい」と意欲を見せる。