めでたいとされる獅子舞の演目を披露する益田糸操り人形保持者会=浜田市下府町、いわみ文化振興センター
めでたいとされる獅子舞の演目を披露する益田糸操り人形保持者会=浜田市下府町、いわみ文化振興センター

 【浜田】島根県の無形民俗文化財「益田糸操り人形」の5年ぶりの浜田公演が29日、浜田市下府町のいわみ文化振興センターであった。華麗な糸さばきからなる、豊かな感情表現で観客を魅了した。

 郷土芸能の振興の場として2020年に開館したセンターが、新型コロナウイルスの影響で延期していたオープニングセレモニーとして開催。益田糸操り人形保持者会が芝居繁栄を祈る「寿三番叟(ことぶきさんばそう)」など4演目を披露した。

 このうち、約300年前に江戸浜田藩邸で起きたと伝えられる、自害に追い込まれた主人の敵討ちをする侍女の話「加(か)賀(が)見(み)山(やま)旧(こきょうの)錦(にしき)絵(え)」では、人形の肩や手元を震わせる細かな動きで、主人公の筆舌に尽くしがたい怒りや悲しみを表した。

 午前と午後の2部公演で、計約70人が鑑賞した。友人と訪れた江津市嘉久志町の片山順子さん(88)は「とても細やかな動きがよく見えた。人形が生きているみたいだった」と話した。

 (森みずき)