大きな木の板に向き合い、絵画や書を仕上げていく高校生=松江市朝日町
大きな木の板に向き合い、絵画や書を仕上げていく高校生=松江市朝日町

 松江市を拠点に活動するアーティストと地元高校生による芸術イベントが10日、JR松江駅(松江市朝日町)周辺であった。出演者たちは協力して、木の板で作った壁面に絵画や書を仕上げていくライブパフォーマンスを披露。通行人が足を止め、次々と姿を現す作品に見入った。 (奥原祥平)

 市内在住の路上詩人で書家のこーたさん(38)やイラストレーターら計5人でつくるグループ「Storyteller in Art(ストーリーテラー・イン・アート)」が主催。地域とつながる表現の場を作り、芸術の道を目指す若い志を応援したいと、高校生との共同企画を思いついた。

 松江テルサ(同)前では、アーティストと皆美が丘女子の書道部、松江北、松江商業の美術部が、1・8メートル四方の木の板に向き合い、宍道湖から着想を得た作品づくりに取り組んだ。やわらかい字体で古里への感謝をしたためた書のほか、宍道湖七珍や県立美術館前のウサギ像と沈む夕日、鳥の目に映る湖面の情景などをモチーフにした絵画を、即興で形にしていった。松江商1年の山本華和(はるな)さん(16)は「人前で絵を描くのは緊張するかと思ったが、楽しくできた」と笑顔を見せた。

 地下通路では立正大淞南の生徒会などが陽気な音楽をかけながら大型黒板に神魂神社などを描画。家族連れも自由に参加してチョークを執り、にぎやかな雰囲気となった。

 作品は松江駅構内と松江テルサで2週間程度、展示する。