田部家とグループの変遷について話す田部長右衛門代表=松江市朝日町、松江テルサ
田部家とグループの変遷について話す田部長右衛門代表=松江市朝日町、松江テルサ

 事業承継や事業成長の手法として注目を集めるM&A(合併・買収)をテーマにした「経営者フォーラム2022」が13日、松江市内であった。田部グループの田部長右衛門代表が登壇し、鉄山経営で知られた田部家の事業の変遷をひもときながら、経営変革やM&Aに対する考え方を紹介した。

 田部代表は約560年にわたる田部家の歴史について、大正末期のたたら製鉄廃業や新事業への転換、グループ再編の動きなど、いくつかの大きな転換点があったと説明した。企業が時代ごとの変化に適応する必要性を説き「革新と挑戦がなければ伝統も続かない」と話した。

 広告代理店や酒蔵など、グループが関わったM&Aの事例にも触れた。企業同士の新たな結びつきが地域の雇用やブランド維持につながるとの認識を示し、「きちんとした将来像を描けることがM&Aにおいては大切だ」と話した。

 M&A仲介業大手M&Aキャピタルパートナーズ(東京都)の十亀洋三取締役、企業情報第一部の桑原正樹次長による講演もあった。

 フォーラムは山陰中央新報社が主催。M&Aキャピタルパートナーズが協賛し、約100人が聴講した。

 (部田寛孝)