動画撮影用のカメラ(左)を設置し共立エンジニヤの女性社員(右)を取材する学生=松江市西津田2丁目
動画撮影用のカメラ(左)を設置し共立エンジニヤの女性社員(右)を取材する学生=松江市西津田2丁目

 島根県内の女子学生が、地元企業の魅力や働く女性を紹介する情報誌と動画の制作に取り組んでいる。就職、進学をきっかけに県外に転出する若い女性を引き止め、県内就職を促進する狙い。女性をメインターゲットに、独自の視点で取材を重ね情報発信する。

 2020年から県が企画し3年目。島根大、県立大、松江工業高等専門学校に通う計15人がリポーターとなり、9月9日から取材を始めた。今回は20社を取り上げるという。

 29日は学生3人が建設コンサルタントの共立エンジニヤ(松江市西津田2丁目)を訪問。取材相手は入社1年目の若槻歩夢さん(22)で、男社会のイメージがある建設業へ入社する前後の印象の変化や、地元で働く魅力を尋ねた。

 取材した松江高専5年の金崎真依さん(19)は来春の就職を予定しているが、自身の就職活動で企業情報の収集に苦労した経験から、後輩には十分に情報を伝えたいという。「島根の働きやすい環境をPRできればいい」と話した。

 動画は動画サイト・ユーチューブなどで10月中旬に公開予定。情報誌は11月上旬に完成させる計画で、就職説明会などで配布する。
 過去2年で取り上げた30社の中には情報誌や動画が学生の目に留まり、学生の興味関心のバロメーターとなる就職情報サイトの「エントリー」が前年比で約3倍増えた企業もあったという。県雇用政策課の三成真由美グループリーダーは「県内企業を選択肢の一つとして知ってもらい視野を広げてほしい」と話した。

 県の調査によると、20年10月~21年9月の15~24歳の就職、進学による転出超過数は男性731人、女性737人。男女とも転出者が多く、県は社会減の要因と分析し、流出の食い止めに注力している。
     (青山和佳乃)