狭い事務所内に置いてあるホワイトボードに、びっしりと書かれた信者の名前。その横には数字とともに、献金を意味する隠語「K」の文字が並ぶ。幼少期に目にした情景が、いつまでも記憶から消えない。

 旧統一教会(世界平和統一家庭連合)の合同結婚式で出会った両親から生まれた「祝福2世」として育った。両親は「公職者」と呼ばれる教会の職員だった。

 幼い頃はよく事務所のソファで寝かされた。その横で両親や信者たちは「この人からはいくら取れそうだ」といった相談を深夜2時、3時まで続ける。備え付けのファクスには、本部から状況報告やノルマの連絡が絶え間なく入ってくる。

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 旧統一教会信者の2世として育った島根県在住の30代女性が取材に応じた。教義の強制や経済的困窮を強いられた過去を語り「教会と親に人生を乗っ取られた」と訴える。専門知識を持つ弁護士が地方には少ない課題に直面し、同じような被害に苦しむ人たちを救うため、全国に法律相談窓口を開設し、連携が図られるよう声を上げる。 (白築昂)

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