グループに分かれて、当時の経験を語る参加者=鳥取県日野町根雨、町山村開発センター
グループに分かれて、当時の経験を語る参加者=鳥取県日野町根雨、町山村開発センター

 鳥取県西部地震の発生から22年を迎えた被災地の日野町で9日、災害への備えや支援を考えるフォーラムがあり、参加した町内外の80人が当時を振り返りながら、災害弱者の高齢者や障害者を支える仕組みづくりを提案した。

 2000年10月6日に発生した鳥取県西部地震はマグニチュード7・3、同県日野町と境港市で最大震度6強を記録し、安来市なども含め被害をもたらした。

 参加者は自主防災、生活支援、医療・福祉活動、災害対策本部の四つのグループに分かれて議論。当時、高齢者の避難支援に苦労したことや携帯電話が通じにくく、情報源は町の防災無線が頼りだったことを振り返った。

 その上で、障害者や医療的ケア児の避難所での受け入れや治療体制の確立、地震に限らず水害などいろいろなケースを想定した避難訓練の実施を求める声があがった。救助要請がしやすいよう交流サイト(SNS)を使ったコミュニティづくりを提案する意見もあった。

 フォーラムは日野ボランティア・ネットワークや県、町が開き、町助役だった田貝英雄さん(82)が当時の対応や初動を語る講演もあった。