清水寺で聞こえる音を収録した動画の一場面
清水寺で聞こえる音を収録した動画の一場面

 寺の境内に響く小鳥のさえずり、小川のせせらぎ、そばを湯がく小気味よい音―。安来市内で聞こえる何げない音を収録した動画「まちの奏音(そうおん)」の公開が始まった。市が会員制交流サイト(SNS)を使い、年内に動画計30本を順次配信し「音の風景」を通じて安来の魅力を伝える。

 若者を中心に近年、聞くだけで心地よさを感じる音声「ASMR(エー・エス・エム・アール)」が人気を集めていることに着目。写真・動画投稿アプリ「インスタグラム」に3月から週1、2本ペースで動画を載せている。

 動画は1本当たり15秒程度で、収録地の映像とともに音が流れる。これまでに古刹(こさつ)・清水寺(安来市清水町)の境内の自然音、老舗そば店の調理場の音、炎と鉄をたたく音が響く鍛冶工房、夜のイルミネーションを楽しむ親子の会話など10本以上を配信した。担当した市秘書広報課の金築旬主任主事は「市民や市出身者の皆さんが安来の良さを再発見し、古里に思いをはせるきっかけになればうれしい」と話す。 (渡部豪)