第42回新聞広告賞の授賞式が20日、東京都内で開かれ、離れて暮らす親子の絆を通じ、遠方に住む若者にUターンを促す新聞広告で、大賞に次ぐ広告賞(広告主部門)に選ばれた島根県に、表彰状とトロフィーが贈られた。紙面上のメッセージとスマートフォンの動画を絡め、親子の絆を表現した内容が「地方自治体が取り組む人口減対策に貢献した」として高く評価された。
受賞したのは、Uターン促進企画「親のひとことが島根へ帰るきっかけでした」。山陰中央新報社ビジネスプロデュース局と、広告・デザイン業のノード(松江市竹矢町)が企画・提案した。
山陰中央新報の2021年8月14日付ラッピング紙面、同年12月30日付見開き紙面で掲載。お盆に合わせたラッピング広告では、表面に都会の生活に疲弊した息子、裏面に島根で息子を心配する母親の様子を表現した。紙面上のQRコードにスマートフォンをかざすと、母子の思いをつなぐ約1分半の短編動画に誘導する仕組みで、交流サイト(SNS)で反響を呼んだ。動画の撮影、演出は、映像制作のTK WORKS(松江市八雲台2丁目)が手がけた。
授賞式には、島根県の藤井洋一地域振興部長とノードのグラフィックデザイナー品川良樹さん(38)が出席。日本新聞協会副会長の中村史郎朝日新聞社社長から表彰状を受け取った藤井部長は「親子が本音で島根での暮らし、就職について話し合うきっかけになるようなPRに今後も努めたい」と話した。