中世に益田を治めた豪族・益田氏と室町幕府との関係をテーマにした特別展「京都・室町幕府と益田氏」が始まるのを前に、会場となる益田市乙吉町の市立雪舟の郷記念館で28日、内覧会があった。呼び物の洛中洛外図屏風(びょうぶ)歴博甲本(国の重要文化財、国立歴史民俗博物館所蔵)などが関係者に公開され、30日の開幕へ機運が高まった。
いずれも国立歴史民俗博物館(千葉県佐倉市)所蔵で国の重要文化財となっている、六曲一双の歴博甲本や絹本着色足利義輝像など15点を展示する。
来場者は、全体で160例が確認されている洛中洛外図屏風の中でも、16世紀前半に描かれ日本最古とされる歴博甲本を鑑賞し、金泥や墨で描かれた往時の京都の繁栄ぶりに見入った。
応仁の乱の際に上洛中の守護大名大内政弘が、同じく上洛中の益田氏第16代当主貞兼に宛てた書状も展示。市教育委員会文化財課によると、1470年のものとみられる益田家文書で、市内の篤志家が今年購入し公開は初という。
同市須子町から訪れた吉山典佑(ふみすけ)さん(88)は「屏風絵は豪華だと思った」と感想を話した。
特別展は益田市制70周年を記念し、同市と益田の歴史文化を活(い)かした観光拠点づくり実行委員会が主催。会期は11月27日までで、開館時間は午前9時~午後5時(入館午後4時半まで)。毎週火曜日と11月4、24日は休館。観覧料は一般500円、小中高生150円。
(中山竜一)