多彩な技法で創作された作品に見入る来場者=鳥取県日南町霞、同町美術館
多彩な技法で創作された作品に見入る来場者=鳥取県日南町霞、同町美術館

 サクラクレパス創業者佐武林蔵(1886~1968年)の出身地、鳥取県日南町霞の町美術館で5日、若手アーティストの新作を集めた「現代作家のクレパス画展」が始まった。多彩な技法を用いた個性的な作品が来場者を魅了している。12月11日まで。

 現代画壇で活躍する日本画家や洋画家、彫刻家ら23人が創作した48点と同館所蔵の41点を加えた計89点を展示。クレパスが醸し出す豊かな色合いが楽しめる。

 日本画家、野崎慎さんの「粒と波」は、新緑の森に包まれた湖上に浮かぶ水玉を描き、見る人に地球に宿る命の尊さを訴えているかのよう。洋画家、村上紘一さんの「早暁(そうぎょう)」は、何色ものクレパスで夜明け前の山野を表現。微妙な色彩が味わい深い。

 浅田裕子学芸員は「クレパスの可能性を実感してほしい」と話した。入館料は一般200円、高校生100円。中学生以下無料。
  (山根行雄)