安来市恵乃島町の「やすぎ観光みかん園」で、特大の渋柿「太天(たいてん)」の実がなった。重さ500グラムで、島根県特産の渋柿・西条柿の3倍程度の大きさ。珍しい品種でマンゴーのような味だといい、初めて収穫した農園主は「名物になるといい」と期待。15日ごろから、みかん園で売り出す。
農林水産省の研究機関が開発した晩生の渋柿で、大きさが特徴。愛媛県くらいでしか栽培されておらず全国的にも珍しいという。
みかん園を営む佐伯勝美さん(70)が園の一角に自家消費用に柿を植えていたところ、欲しがる客がいたことから、栽培を思い立った。特徴的な品種を探してたどり着き、2018年に園の一角に太天の苗木4本を植えた。
木に勢いが出てきた今年、初めて実がなり、1本に15~20個ができた。とにかく実が大きく、重さで折れる枝もあったほど。今月に入ってから収穫、渋抜きを進めている。渋抜き後の糖度は19度近くあった。
贈答用として1個2千円程度で売られる例もあるというが、まだ知名度が低いため、まずは手に取ってもらおうと今年は1個200円程度で売る予定。佐伯さんは「インパクトのある大きさで、特別感のある柿。西条柿に次ぐ島根の名物になるといい」と知名度向上や栽培普及に期待した。
(桝井映志)