卒業生の鮄川宏樹さん(中央)をゲストに収録に臨む吉川郁哉さん(左)と布野伶さん=出雲市内
卒業生の鮄川宏樹さん(中央)をゲストに収録に臨む吉川郁哉さん(左)と布野伶さん=出雲市内

 島根県立出雲高校(出雲市今市町)の生徒が2週間に1回、インターネットのラジオ番組「しまね高校生ラジオ」を配信している。休み時間に交わすようなたわいもない会話が中心だが、時には国内外で活躍する卒業生と対談し、リスナーの悩みに答えるなど本格的な構成も。他校でも配信開始の動きがあり、同世代に刺激を与え、リスナーがやりたいことに挑戦する後押しをしたいと意気込む。 (月森かな子)

 高校生の夢実現を後押しする「しまね未来共創チャレンジ(みらチャレ)」に採択された。みらチャレの支援でマイクやミキサーなどの機材を購入し市内のスタジオで収録。8月から音楽配信サービス「スポティファイ」で配信する。

 メンバーは2年生4人とサポート役の1年生1人。ラジオ好きで、中学生の頃から校内でラジオ番組のような放送をしたいと考えていた2年の吉川郁哉さん(17)と布野伶さん(16)が仲間を集めた。

 2人がパーソナリティーを務め身の回りの出来事や季節にちなむ思い出話、県内高校生の活躍など多様な話題を軽快な掛け合いで紹介。お薦めデートスポットや進学に対する考えなどローカル話題や高校生のリアルな声を拾い、編集なしで約1時間にわたり届ける。

 14日は出雲高卒業生で、デジタルコンサルティング事業を手がけるモンスターラボホールディングス(東京都)の鮄(いな)川(がわ)宏樹社長(47)が出演。同日に講師を務めた母校の講演の関連話や、不登校の減少につなげる学校現場の改善点などを3人で語り合った。

 番組の認知度は少しずつ高まり、再生回数は累計で2千回を突破。活動は広がりをみせ、他の県立高2校の生徒が同じようにラジオで配信を始めた。

 吉川さんは他校との連携やさらなる広がりに期待を寄せ「『しまね高校生ラジオ』という局の中で各校が番組を持てれば面白そう」と展望。代表を務める布野さんは「世代交代をしながら続け、ずっと聴いてもらえる番組にしたい」と先を見据える。

 番組は「スポティファイ」で無料で視聴できる。