現地で着る「出雲ぜんざい学会」の法被とともにPRに意気込む渡部稔会長=出雲市大社町北荒木、出雲観光タクシー
現地で着る「出雲ぜんざい学会」の法被とともにPRに意気込む渡部稔会長=出雲市大社町北荒木、出雲観光タクシー

 島根県東部の地域グルメとして親しまれる出雲ぜんざいが、インドで振る舞われる。出雲市の町おこし団体「出雲ぜんざい学会」が26、27の両日、同国サーンチーである日印文化交流フェスティバルへ参加。インド内外から多くの来場者が集う絶好の機会に出雲をアピールする。 (松本直也)

 サーンチーはインド中央部に位置し世界遺産の仏教建造物がある地域。フェスティバルは、インド国内の僧侶や一般参拝者ら数万人が訪れるという仏舎利の開帳に合わせて開かれる。

 毎年の行事で、今回は日本の食文化がテーマだったため、出雲ぜんざい学会の渡部稔会長(58)が、インドの主催者にぜんざいの提供を提案したところ採用された。日本からは計17人が訪れ、お茶とぜんざいをPRする。

 学会は会員40人で出雲、松江両市内でぜんざいを提供する約20店を認定し、町おこしにつなげている。県内外の催しに年間10カ所以上出向くが、学会として海外でPRするのは初めて。

 現地では500食を用意する。渡部会長は出雲地方に秋、日本全国の神々が集うため神在(かみあり)月と呼ばれることや、神在(じんざい)餅がなまって「ぜんざい」になったと伝わることを紹介し、出雲が神話ゆかりの地であることをアピールする。

 インドは人口が2023年に世界最多となる見込みでIT技術者が多い。新型コロナウイルスによる日本の水際対策の緩和もあり、渡部会長は「観光に加えIT企業を誘致する出雲市との人材交流につながる可能性もある」と期待した。