渓谷の途中で足を止め、淵を眺める観光客ら=江津市桜江町江尾
渓谷の途中で足を止め、淵を眺める観光客ら=江津市桜江町江尾
渓谷の途中で足を止め、淵を眺める観光客ら=江津市桜江町江尾

 江津市桜江町江尾と島根県邑南町日和にまたがる国の名勝「千丈渓(せんじょうけい)」。2013年の豪雨で被災した遊歩道の復旧工事が進み、滝や淵、大岩が点在する自然美を満喫しながら、ゆっくりと散策できる。

 1級河川・八戸川の支流の日和川に沿って広がる延長約4・8キロの渓谷。県内有数の景勝地として1932年に国の名勝、82年には県立自然公園にも指定された。

 2013年の豪雨では、土砂崩れや落石、橋の破損など30カ所で被害が発生したものの、管理する県が復旧工事を進め、20年4月に江津市側の1・4キロが開通した。

 渓谷沿いに設けた遊歩道からは、大きな滝つぼに向かって流れる水が、魚たちの関門になっているのに由来する「魚切(うおきり)」をはじめ、石でできた見晴らしの良い河原「千畳敷(せんじょうじき)」、段差のある大石の間を清流が流れ落ちる「相生滝(あいおいだき)」など、次々と現れる自然の造形美を堪能できる。

 広葉樹など植物の種類が豊富で、昆虫や鳥などの動物も生息する。しっとりとした渓谷特有の環境の中で、清流の音を聞きながら過ごせば、おのずと心身が癒やされる。

 江津市観光協会桜江支部の山本紀彦支部長(69)は「新緑が気持ち良い時期を迎えた。家族や友人と訪れ、弁当を開いて、ゆったりとした時間を過ごしてほしい」と来訪を呼び掛けた。(福新大雄)