<短歌>

 ◇松江情脈短歌会(松江市)

紫陽花は雨待ち顔で去年より花は小さく色は控えめ 野津イマ子

青と黄の旗はためけと我祈る小麦畑の広き大地に 三代由紀子

水無月の酔仙翁に浮かぶなり姉さんかぶりの草取る祖母が 大野 明美

新緑のケヤキ並木が順番に伐採されゆく赤テープ巻かれ 松本久美子

ゆくりなく卒業アルバム見てゆけば作り笑いの私を見つく 佐藤 杏子

十本の段々畑の柿の木が夕影落とし日を返すなり 室﨑 和子

海開きのキララの浜に父と子は寄せくる波に声あげ遊ぶ 平...