制作したロボットを操作する部員たち=松江市古志原、松江工業高校
制作したロボットを操作する部員たち=松江市古志原、松江工業高校

 10月に青森県で開かれた第30回全国高校ロボット競技大会で、松江工業高校(松江市古志原4丁目)のものづくり部が島根県勢として過去最高の3位に輝いた。リンゴに見立てたピンポン球を運ぶ競技に挑み、夏休み返上で改良を重ねて結果をつかんだ。卒業後もロボット製作を続ける考えの部員もおり、将来に向けて夢を膨らませる。 (清山遼太)

 ものづくり部ロボット競技班は、いずれも電子機械科3年の大谷優弥さん(18)=部長、門脇颯汰さん(18)、白井大雅さん(18)と、同1年の加藤真幸さん(15)の計4人。

 全国産業教育フェア(文部科学省など主催)の一環で開かれた大会には、95校が出場。「リンゴの収穫」がテーマで、リモコン操作と自動制御のロボット2台を使い、段差のあるコートに置いたピンポン球を、3分以内に決められた位置へ運んで、タイムや正確さを競う。

 リモコン操作型(縦横高さ各50センチ)は7月中旬、自動制御(同30センチ)は8月中旬ごろに完成したものの、その後の改良に苦しんだ。ピンポン球をつかんだ弾みで球が3ミリ以上ずれると、ゴールに運ぶのが難しくなるため、確実に球を固定するゴム製のカバーを付けるなど工夫を凝らした。

 ロボットを完成させた当初はゴールに14分かかっていたものの本番までにタイムを大幅に縮め、上位8校による決勝戦では2分25秒でフィニッシュ。得点は467点で、富山県の不二越工業高(489点)と新潟県の長岡工業高(487点)に次ぐ好成績だった。

 小学生の頃からロボット製作に憧れ、卒業後も県外の大学で技術を学ぶ予定の大谷さんは「いつかは家庭で子どもたちが笑顔で遊べるようなロボットを生み出し、社会に貢献したい」と話した。