1970年の発効以来、原則5年に1度開催されてきた核拡散防止条約(NPT)再検討会議。新型コロナウイルスの流行で再三延期された末、今年8月に開かれた会議は10回目の節目だった。しかもロシアのウクライナ侵攻や中国の核軍拡、NPT脱退を宣言して久しい北朝鮮のミサイル発射など核を巡る国際秩序が混沌(こんとん)とする中、その成否は世界の耳目を集めた。
そんな重大な局面で、半世紀超のNPTの歴史において未曽有の出来事が発生した。核保有国が差しかける「核の傘(拡大核抑止)」に依存する同盟国、いわゆる「傘...












