島根県が15日、新型コロナウイルスに感染した隠岐の島町内の社会福祉施設の職員1人に対し、隠岐保健所が誤って「陰性」と通知していたと明らかにした。職員は陽性の状態で勤務したものの、それに伴う感染の広がりは確認されていないとしている。検査結果の取り違えは4日に判明したが、保健所が県健康福祉部に報告したのは14日で、公表が11日間遅れた。
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職員は勤務する社会福祉施設で感染者が出たため、接触者として検査を受け、隠岐保健所が1日に陰性を伝達。2日は通常通り出勤した。3、4日は休みで、4日になって別の職員が陰性でこの職員は陽性だったことが判明した。保健所職員が検査結果の一覧を読み違えて伝えたのが原因という。
社会福祉施設では施設利用者や職員など感染確認が計19人に上り、4日に県内803例目のクラスター(感染者集団)として公表。誤って陰性と通知された職員が所属する部署では広がりが見られず、県は職員の出勤によりクラスターに発展した可能性は低いとしている。
県は各保健所に対し、陽性者の取り下げや変更があった場合は報告するよう求めているが、隠岐保健所は知らせていなかった。14日に山陰中央新報社から取材を受けた後に報告した。
15日の記者会見で通知ミスを公表した県感染症対策室の田原研司室長は「担当者が報告を失念していたのが原因」とし、隠蔽(いんぺい)は否定した。「不適切な事案だった。今後はこのようなことがないように各保健所への指導を徹底する」と述べた。
(佐々木一全)













