熱い風呂で長湯していませんか-。冬季は主に高齢者が入浴中や入浴前後に体調が急変し心肺停止になるなど、事故が相次ぐ。専門家は「41度以下で10分以内の入浴を」と呼びかける。
鳥取県によると、浴室や脱衣所で発生し救急搬送された事案は2021年に446件あり、高齢者が8割超を占めた。
鳥取県内では入浴中に毎年100人程度が死亡。事例を調べる鳥取大医学部の飯野守男教授(法医学)によると、高温の風呂に1時間入浴すると、体温が湯の温度と同じになるといい「高齢者が長湯で意識障害となり、風呂から出られず熱中症から溺死するケースが多い」と話す。
家族に一声かけてから入浴する「声かけ入浴」や、入浴中は追いだき機能を切っておくことも効果的だといい、注意すれば十分に防げる事故だという。
高齢者は寒暖差で急激に血圧が変化し心筋梗塞などを引き起こす「ヒートショック」にも警戒が必要で、鳥取県健康政策課は、脱衣所や浴室を暖めてから入浴▽湯は41度以下で10分以内を目安に長湯をしない▽浴室内に手すりを設置▽浴室から出るときはゆっくりと-など事故を防ぐ「6カ条」を提示。水温計の配布も行っている。
島根県の浴室や脱衣所での心肺停止は、県内7消防本部で21年に計93件発生し、寒い12~3月が56件を占めた。
(古瀬弘治)












