工房で出雲五色天神に彩色するメンバー=出雲市斐川町出西
工房で出雲五色天神に彩色するメンバー=出雲市斐川町出西

 端午の節句や入学祝いで飾られる「出雲五色天神」の製作が最盛期を迎えた。江戸時代から出雲地方に伝わる土人形。伝統を受け継ぐ「斐川でこや連」が出雲市斐川町出西の工房で子どもの健やかな成長を祈りながら色付けを続けている。

 「五色」は儒教の五常の礼節「仁、義、礼、智、信」を表す。メンバーは素焼きされた高さ7センチ、幅6センチ、厚さ3センチの人形が並ぶ工房で筆を握り、黒、青、白、赤、緑のポスターカラーを使って色彩。一体一体丁寧に仕上げている。

 5色1セットで、来春までに約60セットを製作。1セット7千円で、1月から出西窯(出雲市斐川町出西)や出雲民芸館(知井宮町)で販売する。

 後継者不在で一時途絶えた出雲五色天神は、島根県退職公務員連盟斐川部が2019年に復活。工房ができた21年10月から「斐川でこや連」と名乗り、19人で活動している。青木誠会長(84)は「地域で伝統が大切にされるように地道に努力していきたい」と話した。

(松本直也)