県西部の伝統芸能・石見神楽の夜間定期公演が14、15の両日、松江市玉湯町玉造の日帰り温泉施設「玉造温泉ゆ~ゆ」であった。江津市内屈指の人気社中が県東部にゆかりのある2演目を披露。温泉街に軽快な八調子が響き渡り、来場者が勇壮な舞を楽しんだ。公演は3月5日まで、土曜と日曜の夜に行う。 (佐々木一全)
玉造温泉旅館協同組合が冬場の集客対策として初めて企画。江津市都治町を拠点に活動する都治神楽社中が、大神によるタイ釣りの様子を舞う「恵比寿(えびす)」、出雲神話を題材にした花形演目の「大蛇(おろち)」の2演目を上演し、14日は約150人、15日は約120人が足を運んだ。
「恵比寿」では、観客に手を振ったり、あめを客席にばらまいたりして、愛嬌(あいきょう)たっぷりにタイが釣れる場面を披露。「大蛇」では4頭の大蛇がステージ上を暴れ回り、須佐之男命(すさのおのみこと)との激しい立ち合いを演じた。
観客はスマートフォンで写真を撮ったり、拍手を送ったりしながら迫力の舞を堪能。家族で鑑賞に訪れた松江市大野町の木村弘徳さん(85)は「久しぶりに松江で石見の本場の神楽を見ることができ、とても爽快な気分だ。心に響く調子と舞に圧倒された」と笑顔を浮かべた。