静岡県の一家4人殺害事件で死刑が確定した袴田巌さん(86)は静岡地裁の再審開始決定を受け、48年ぶりに釈放されたが、検察の不服申し立てなどで再審は始まっていない。差し戻し審の東京高裁は3月末までに決定を出す見通しで、再審開始の可否が注目される。

 刑事裁判官時代に30件以上の無罪判決を確定させた弁護士の木谷明さん(85)と刑事裁判をテーマにした映画「それでもボクはやってない」を監督した周防正行さん(66)が、疑惑に満ちた捜査や長期化した裁判について語り合った。

 

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元刑事裁判官 木谷 明さん

有罪根拠の着衣は捏造

 

映画監督 周防 正行さん

検察 再審公判で主張を

 

 ―袴田巌さんは1日最長16時間20分、トイレに行くことも許されない取り調べを受けていた。

 木谷 実質的には拷問だ。警察はトイレに行かせていたと言っていたが、...